2007/02/06

が確か十一歳の夏休み前の解禁のことです。
当時は、学校給食がありませんでしたので、昼食は全員うち帰っていました。
私は昼休みに新聞配達をしていたので、配達後ふと思い付き
初日だから、アワビやサザエが多く取れるはずだと思い、
学校に戻らず山越えをして磯に行きました。
解禁日は必ず大潮の時期と決まっていましたので、
潮がよく引き泳がず歩いて、相当沖まで行けました。
適当な所で潜る準備のため、手のひらで海水を心臓の辺りに掛けようと
海面を見たとき、ビックリする程大きなアワビが目に入りました。
確かにアワビだと解ったときは、胸が高鳴りました。
大人に先取りされまい、と周囲を見渡し、静かに水中に手を入れ、
アワビの背中の穴の全てを両手で蓋して、
アワビが苦しくなり、動き浮くまでじっと我慢して、無傷のアワビを取る事に成功しました。
其の一個のアワビだけを網に入れサッサとうちに帰り、
仲買をしている「カネタ屋」と言う親戚が有りましたので、其処へ売りに行き、
「今、磯で取って来たアワビだ。身だけ買ってくれ」と頼み込みました。
「此れは上物だ」と言い、即買って頂き千円もらいましたが一向に貝殻を返してくれません。
さて、此処からが大問題でした「身だけ」と言った言わないで約一時間くらい問答が続き、
最後は大人、しぶしぶ納得してくれ貝殻と千円を手にして、
其のあと父が生前仲良くしていた鰹船の船頭さんに、アワビの貝殻を買ってもらいに行き、
「立派な貝だ」と言い、即三千円「祝儀だ」と言って、私の手に握らせてくれました。
その後うちに帰り風呂に入る時、お金が母の目に留まり大問題発生。    
次回に続く